転勤も出産も乗り越えて、徳洲会グループで続けたキャリア。クリティカルケア認定看護師として挑む急変予防

クリティカルケア認定看護師 Fさん
大阪府出身。新卒で大阪府内の救命救急センターに入職し、看護師のキャリアをスタート。配偶者の転勤に伴い、2011年1月に名古屋徳洲会病院へ入職し手術室に勤務。産休中に再び転勤が決まり、2013年10月に八尾徳洲会総合病院へ転勤し、育休後に時短勤務で復帰。ICU・HCUで長く勤務し、2021年にクリティカルケア認定看護師を取得。現在は院内横断的に活動し、RRT(院内迅速対応チーム)の推進役、急変対応、院内教育などを担っている。
<目次>
・転勤を機に選んだ徳洲会グループ
・クリティカルケア認定看護師への挑戦
・急変を「起こさせない」チーム・RRT
・育てたいのは、自分で考えられる看護師
・「やりたい」に挑戦させてくれる病院
|学生時代から描いた、救急・急性期から認定看護師への道
看護師を目指したきっかけを聞かれると、感動的なエピソードがあるわけではないので、いつも少し困ってしまいます(笑)。いろいろな選択肢を考えるなかで、自分には医療職が向いているだろうと思い、その中で看護師を選びました。親族に医療職がいたわけでもありません。看護師は『忙しくて、バリバリ働いているイメージ』はありましたが、要領はいいほうだったので、テキパキ動く仕事は自分に向いているだろうと考えていました。
看護学生の頃から「救急や急性期の現場で経験を積みたい」、そして漠然とではありますが「将来的には認定看護師を目指したい」と自分のキャリアを描いていました。
そして新卒で就職先に選んだのも、大阪府内の救命救急センターでした。最初から救急の最前線に飛び込みました。
|転勤を機に選んだ徳洲会グループ
最初の転機は、主人の転勤でした。大阪から名古屋へ。生活の拠点が変わるタイミングで、自分のキャリアを改めて考えました。救命救急の現場は経験してきたので、次は別の分野で自分に必要な経験を積もうと考えました。
そのときに勧められたのが、名古屋徳洲会病院でした。全国トップレベルの心臓治療を誇る病院で、手術室を希望して入職しました。
名古屋徳洲会に入職してしばらくして、妊娠して産休に入りました。そして復帰の準備を進めていたタイミングで、主人の大阪転勤が急に決まりました。

|転勤しても続けられる、八尾徳洲会総合病院への異動
もともと入職時から、「またポンと転勤になる可能性があるので、そのときは相談させてください」という話はしていました。それでも、動くとなれば普通は転職活動です。ブランクも、選考も、一からのやり直しも覚悟しなければなりません。
ところが、朝10時に「転勤になってしまって」と連絡したところ、夕方4時には「八尾徳洲会、オッケー出たよ」と返事が返ってきました。「ほんとにいいんですか?」と、こちらが驚いたくらいです。当時のことなので、今はオンラインでの面談などの手順を踏んでいると思いますが、グループとして受け入れの土台があることを実感した出来事でした。
八尾徳洲会総合病院は、以前に関西ブロック研修で訪れたことがありました。病院がきれいで、職員の雰囲気も良かった印象が残っていたので、転勤先として希望しました。
復帰の条件についても、受け入れ先の八尾徳洲会総合病院のほうから「時短勤務でOKだよ」と言っていただきました。子どもを迎えたばかりで、生活も仕事も一度に変わるタイミングです。そこを最初から受け止めてもらえたことは、本当に大きかったです。
配属も、希望を聞いてもらえました。「名古屋ではオペ室だったけど、こちらでもオペ室でいい?」と確認されたのですが、手術室は自分には合わないと感じていたので、「集中治療室、ICUがいいです」とお伝えしました。結果、配属先はICUで受け入れていただく形となり、これまでの救命救急センターでの経験などもきちんと引き継いでもらえたと感じています。
中途入職という立場でしたが、馴染むまでに苦労した記憶はありません。ICUやHCUは、特にサポートが手厚いところだと思います。最初からペアで教えていき、できるところは任せながらも、初期の段階では必ずチェックを入れる。任せられるかどうかを見極める評価から始まるので、中途で入っても放り出されることがありません。

|クリティカルケア認定看護師への挑戦と、子育てとの両立
ICUでの勤務を経て、その後はHCUへ異動しました。HCUにはさまざまな科の重症患者さんが入院されるため、異常の早期発見に向けた観察スキルや臨床判断能力を鍛えることができました。
学生の頃から思い描いていた認定看護師でしたが、すぐには動けませんでした。当時、大阪府内にあった認定看護師の教育課程は救急しかなかったのです。それが2020年に集中ケアの課程へ、さらに現在のクリティカルケアへと移行していく流れがありました。ちょうどその頃、子育ても少し落ち着いてきていて、「今なら行けるんじゃないか」と感じ、挑戦することを決意しました。
認定看護師への挑戦希望は、部署での定期面談で以前から伝えていました。急性期領域で働き続けたいという思いと、急性期に関する教育を中心に担っていきたいという思い。その両方が、資格取得を目指す動機でした。

|自部署から病院全体へ。認定看護師として広がる視野
認定を取って一番変わったのは、見える範囲です。それまでは自分の部署のことしかやっていませんでしたが、病院全体を見るようになりました。知らなかったこと、自分の部署には存在しない課題が、次々と見えてきました。
認定になった当初は、まず院内研修を主に担当するところからスタートしました。その後、RRTで部署の外に出る機会が増えるにつれて、見える景色はさらに広がっていきました。
今では、病棟全体を俯瞰して状況を整理し、優先順位を考えながら行動できるようになったと感じています。院内のさまざまな部署から相談を受け、多職種と連携しながら迅速に対応する。その重要性を、あらためて学び直している最中です。
|急変を「起こさせない」チーム・RRT
認定看護師として、私はRRT(Rapid Response Team/院内迅速対応チーム)の推進役を担っています。RRTとは、部署や主治医の垣根をなくして、患者さんの病状の悪化や変化に対して速やかに対応し、急変を予防するためのチームです。
ここは誤解されやすいところなのですが、RRTの使命は「急変への対応」ではなく「急変の予防」です。心停止してからでは、RRTの役割としては手遅れなんです。急変してしまった患者さんに対応するトレーニングはもちろん別で行いますが、私たちが目指しているのは、そこに至らせないこと。患者さんの重症化を防ぎ、院内急変そのものを減らすことです。
チームは、認定看護師で実働しているのは私一人で、あとは教育研修を受けたスタッフに入ってもらっています。メンバーが6〜7名、そこに診療看護師が加わって、トータル10名ほどの体制です。
大切にしているのは、呼ばれた現場をそのまま教育の場に変えることです。私たちだけで対応を完結させてしまえば、その場は収まります。でもそれでは、呼んでくれたスタッフには何も残りません。「これぐらいのときから兆候が出ていたよね」「これも兆候のひとつだよ」と説明しながら関わることで、そのスタッフのフィジカルアセスメント力や判断力を伸ばすことを狙っています。
そしてもうひとつ、絶対に避けたいことがあります。「RRTを呼んだら怒られるから、もう呼びたくない」と思われてしまうことです。呼びにくいチームになった瞬間に、急変予防という役割は果たせなくなります。だからメンバーには、人間関係やコミュニケーションの取り方も含めて、そう思われない関わり方をしなければいけないよ、と伝えています。
メンバーの教育で私が一番重視しているのは、自分の考えを言語化することです。アセスメントした内容を、他者に伝える力。自分自身の成長のためにも、周りに伝えるためにも、きちんと言葉にできるように、そこは繰り返し伝えています。

|育てたいのは、自分で考えられる看護師
RRT以外にも、新人研修や院内全体の研修を担当させてもらっています。新人看護師向けにはフィジカルアセスメント、そのほかスキルアップ研修やラダー研修の中で、臨床推論や急変予防のための急変キャッチトレーニングなどを自分で組み立てて実施しています。
教育に関わる中で私が育てたいと考えている看護師像は、「自分で考えられる看護師」です。
忙しい業務の中では、どうしても流れ作業になってしまう場面が出てきます。記録も含めて、看護師の業務量は増える一方です。そんなときこそ、しっかり立ち止まって考えられる。その癖をつけてもらわなければいけないと思っています。
研修では、しつこいくらいに言っていることが二つあります。ひとつは、目の前で起きていることが本当に正しいのかどうか、誰かが言っていたからといって鵜呑みにせず、自分自身で考えて振り返る習慣をつけること。もうひとつは、考えるための判断材料の引き出しは、自分で増やしておくこと。クリティカル・シンキング、つまり批判的思考を持ってほしいという話です。
私は、ヒントは出しますが、手取り足取りはしないように心がけています。受け取ったヒントを自分でどう広げていくか。その鍛錬を自分でしてもらう。ちょこちょこ声をかけて、方向修正をしながら見守る。それが私のスタンスです。

|「やりたい」と言えば、挑戦させてくれる病院
八尾徳洲会総合病院の一番の魅力は、さまざまな取り組みにチャレンジしやすい環境があることだと感じています。
もちろん、誰でも希望すれば資格が取れるわけではありません。ただ、「取りたい」という意思に対して批判されることはありませんし、頭ごなしにダメと言われることもない。「では取れるようにするにはどうしたらいいか」という話になります。年数をかけてじっくり育ててもらっている人もいれば、「行けるんやったらすぐ行っといで」と送り出される人もいる。病院自体のフットワークがとても軽いなと感じます。
他の病院の話を聞いていると、やりたいと言ってもなかなかさせてもらえないこともあると聞きます。この病院は、やりたいと手を挙げて、それが必要なことであれば、させてもらえる。私自身、転勤を即日で受け入れてもらい、時短勤務からのスタートを認めてもらい、そして認定看護師の道も後押ししてもらいました。
正直にお伝えすると、「のんびり楽に働きたい」といった方には向かない病院かもしれません。地域の急性期医療を担う病院として、忙しい場面も多いです。でも、急性期医療の中で多職種と連携しながら幅広い経験を積みたい人、専門性を高めてキャリアアップしていきたい人、看護師としての視野を広げたい人にとっては、間違いなくいい病院だと思います。
私自身も、クリティカルケアの専門性をさらに高めながら、急変予防と患者アウトカムの改善につながる取り組みに、引き続き力を入れていきたいと考えています。
(写真・インタビュー・文:MottoBrand 福井勝雄)
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大阪・八尾市の地域に根ざした八尾徳洲会総合病院では、ICU・HCUをはじめとする急性期看護の現場で、中途入職の方も、産休・育休からの復帰を目指す方も活躍しています。認定看護師をはじめとする資格取得支援も充実し、全国に展開する徳洲会グループだからこそ、転勤・転居があってもキャリアは途切れません。「やってみたい」を、八尾徳洲会総合病院でカタチにしませんか?